クロムシ(読み)くろむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロムシ」の意味・わかりやすい解説

クロムシ
くろむし / 黒虫

環形動物門多毛綱定在目タマシキゴカイ科のタマシキゴカイの別名。名は体色が黒いことに由来し、主として広島県福島県での呼び名である。マダイ釣りの餌(えさ)として賞用される。

[今島 実]

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百科事典マイペディア 「クロムシ」の意味・わかりやすい解説

クロムシ

多毛綱タマシキゴカイ科の環形動物。タマシキゴカイ,ドンベイとも。体色は生息地によって異なり,泥地のものは暗緑〜灰黒色,砂地のものはだいだい色。体長20〜30cm。頭は丸く,眼やその他の付属器官はない。第7〜17剛毛節に羽状えらが1対ずつある。潮間帯付近にU字形の穴をつくり,夏の産卵期には穴の入口にゼラチン質の風船のような卵塊を生む。日本全土に分布し,タイやカレイ釣餌に用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のクロムシの言及

【タマシキゴカイ】より

…多毛綱タマシキゴカイ科の環形動物(イラスト)。別名クロムシ,ドンベイ,チンチロムシ。陸奥湾以南に分布し,干潟の砂泥中にU字形の穴を深く掘ってすむ。…

【多毛類】より

…カレイ類の胃中を調べると70~80%が多毛類で占められている。イソゴカイ,イワムシ,クロムシなどは,釣りの餌によく使用され,アオゴカイ,イワムシなどは韓国,フィリピン,台湾などから生きたまま相当の量が輸入されている。近年,日本でイソゴカイの養殖が始まり,高知県や香川県では大規模に行われている。…

※「クロムシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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