ジョバンニディパオロ(英語表記)Giovanni di Paolo

改訂新版 世界大百科事典 「ジョバンニディパオロ」の意味・わかりやすい解説

ジョバンニ・ディ・パオロ
Giovanni di Paolo
生没年:1403ころ-82

イタリア画家。シエナ生れ。全活動期間を生地で過ごす。タッデオ・ディ・バルトロTaddeo di Bartolo,ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ,サセッタらの国際ゴシック様式の画家たちから影響を受けながら,優雅さをたたえ,幻想性,装飾性の濃い作風をつくり上げた。〈洗礼者ヨハネ伝〉連作(1453-54ころ)は,その細やかな描線,激しいコントラストをなす色彩,現実の詩的解釈ゆえに,表現主義ないしはシュルレアリスムの世界を想起させる。近年特に評価が高まり,サセッタとならんで15世紀シエナ派の指導的画家とされる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジョバンニディパオロの言及

【シエナ派】より

…シモーネにつづいてメンミLippo Memmi(1317‐46活動),ロレンツェッティ兄弟(ピエトロおよびアンブロージョ)が現れ,ピエトロはよりドラマティックな表現を得意とし,逆にアンブロージョの華やかな色彩と繊細な感覚とが,14世紀末から開花する国際ゴシック様式への道を準備する。15世紀のシエナ派は前世紀ほどの隆盛と影響力を見せなかったが,のちにフィレンツェで活躍するL.モナコは敬虔で魅力ある宗教画を描き,サセッタ,ジョバンニ・ディ・パオロ,サーノ・ディ・ピエトロSano di Pietro(1406‐81)らは流行の国際ゴシック様式に,シュルレアリスムを想起させる幻想的な雰囲気を添えた。16世紀初頭には,ロンバルディア出身のソドマがシエナに定住し,レオナルド・ダ・ビンチ風の様式を紹介する一方,盛期ルネサンスからマニエリスムへの過渡期を示す作品を残した。…

※「ジョバンニディパオロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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