ヒッピアス(古代ギリシアの僭主)(読み)ひっぴあす(英語表記)Hippias

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヒッピアス(古代ギリシアの僭主)
ひっぴあす
Hippias

生没年不詳。古代ギリシアのアテネ僭主(せんしゅ)(在位前527~前510)。ペイシストラトス長男。紀元前527年に父の後を継いで僭主となり、初めは父と同じく穏和な支配を行い、農産物に対する十分の一税を二十分の一税に改め、アルクメオン家など有力貴族とも和解したが、前514年に弟のヒッパルコスHipparchos(前560ころ―前514)が私怨(しえん)により暗殺されてから、暴君的支配者となった。亡命貴族スパルタを動かし、前510年にスパルタ王クレオメネス1世はヒッピアスを追放して、アテネの僭主政を終わらせた。ヒッピアスは小アジアからペルシア王ダリウス1世のもとに逃れ、前490年にペルシア軍を案内してマラトンに上陸したが、その後まもなく死没したらしい。

[清永昭次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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