モデル家族(読み)もでるかぞく

知恵蔵 「モデル家族」の解説

モデル家族

年金などの社会保障制度を構築、改革する際に、基準となる家族形態。以前は標準世帯といわれていたが、「標準」が「あるべき姿」という誤解を招くという理由で、「モデル」という言葉になった。だが、「夫は一生サラリーマン、妻は一生専業主婦で、離婚しない」というライフコースをモデルとしている点は変化がない。将来の年金額が現役時代の収入の何%という目安数字は、モデル家族を前提として計算されている。しかし、既婚女性の就労率は5割を超え、生涯独身者(50歳時点での未婚者)も2005年で男性の15%を占める。離婚や再婚も増え、モデル家族どおりの人生を送ることができる人は少数派となり、家族単位の社会政策は限界にきている。

(山田昌弘 東京学芸大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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