ユエヤン(岳陽)特別市(読み)ユエヤン(英語表記)Yueyang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユエヤン(岳陽)特別市」の意味・わかりやすい解説

ユエヤン(岳陽)〔特別市〕
ユエヤン
Yueyang

中国華中地方,フーナン (湖南) 省北東部の特別市。ユエヤン市区と1市5県から成る。トンティン (洞庭) 湖の北岸と東岸に接する地域から成り,大部分は平地であるが,東部はムーフーシャン (幕阜山) 山脈に続く山地丘陵である。ユエヤン市区はチャン (長) 江とトンティン湖の東端を結ぶチョンリンチー (城陵磯) 水路の東岸にある。トンティン湖に注ぐシヤン (湘) 江水系とチャン江を結ぶ交通,軍事の要地として開け,古くは麋子国,南北朝時代には巴陵県がおかれ,隋代以後は岳州の州治であった。チンコワン (京広) 鉄道にものぞみ,水陸両路による省の出入口となっている。周辺地域では米,茶,カラムシなどが栽培される。茶では特にリンシヤン (臨湘) 県のラオチン (老青) 茶,ピンチヤン (平江) 県のホン (紅) 茶が有名。製紙などの工業もあり,付近にはマンガン鉱山がある。西の城門にあたる岳陽楼は,唐代の創建で清代の復元といわれ,トンティン湖の眺望がよく,杜甫の『岳陽楼に登る』をはじめ幾多の詩に歌われている。湖岸チュン (君) 山も風光がよく,神話や伝説が残っている。人口 478万 4529,うち市区人口 52万 9836 (1990) 。

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