七人比丘尼(読み)しちにんびくに

改訂新版 世界大百科事典 「七人比丘尼」の意味・わかりやすい解説

七人比丘尼 (しちにんびくに)

仮名草子作者不明。1635年(寛永12)刊。長野善光寺参詣の人のために湯の接待をはじめた2人の尼の家に,さらに5人の尼が加わり,おのおの身の上のざんげ話をはじめる。最後花山院の姫であったという尼が,それぞれの話に批判を加えて去るという筋で,御伽草子三人法師》の影響を受けている。仏教鼓吹の小説であるが,さらに《二人(ににん)比丘尼》《四人比丘尼》の後続作を生んだ。
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