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比丘尼 びくに

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

比丘尼
びくに

パーリ語 bhikkhunī,サンスクリット語 bhikṣuṇīの音写。仏教に帰依し,出家して具足戒を受けた女性の称。尼僧。修行尼。釈尊が弟子アーナンダの要請で,養母のマハープラジャーパティーを尼としたのが始りといわれる。 (→四衆 )

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デジタル大辞泉の解説

びくに【丘尼】

《〈梵〉bhiksunīの音写》出家得度して具足戒(ぐそくかい)を受けた女性。尼僧。
中世、尼の姿をして諸国を巡り歩いた芸人。
江戸時代、尼の姿をした下級の売春婦。
科(とが)負い比丘尼」の略。

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百科事典マイペディアの解説

比丘尼【びくに】

比丘

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世界大百科事典 第2版の解説

びくに【比丘尼】

出家して戒を受けた女性,仏教教団の正規の女性出家者。尼僧のこと,単に尼(あま)ともいう。サンスクリットbhikṣuṇī,パーリ語bhikkhunīの音写。日本における比丘尼のはじめは,蘇我馬子が桜井道場で弥勒像をまつらしめた善信,禅蔵,恵善の3人であり,彼女らは神に奉仕する巫女と同じであった。以後,仏教受容は急速に進み,624年(推古32)には尼569人に達した。比丘尼に限らず,古代の僧尼巫覡(ふげき)的な性格が著しく,仏教的呪力に対する期待から,集団的得度さえ行われた。

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大辞林 第三版の解説

びくに【比丘尼】

bhiksunī〕 出家して定めの戒を受け正式に僧となった女子。尼僧。尼。びくにん。
鎌倉・室町時代、尼僧姿で諸国を遊行して歩いた一種の旅芸人。絵解き比丘尼など。
江戸時代、尼僧姿の下級の売春婦。びくにん。
とが負い比丘尼のこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

比丘尼
びくに

仏教における女性の出家修行者。男性の比丘に対する。仏教の尼僧。パーリ語のビックニーbhikkhunの音写。サンスクリット語ではビクシュニーbhikunという。語尾のニーは女性形を示す。かつてインド(のみならず、世界のどこにも)に女性の出家者は存在しなかったが、釈迦(しゃか)の養母が切願して出家したのが比丘尼の最初といわれ、以後しだいに増加した。出家して戒(具足(ぐそく)戒とよばれる)を受け、それを保ち続け、男性の出家修行者の比丘とともに、仏教教団のもっとも重要な成員とされる。男女の差別を設けない仏教の平等主義の特徴を示す。ただし、比丘尼の教団は比丘の教団とは独立して運営された。現在、東南アジア一帯の仏教(テーラバーダ=長老部(ちょうろうぶ)仏教)では、戒の授受が中絶したために、比丘尼(の教団)は消滅したが、大乗仏教を奉ずる中国、台湾、韓国、日本では、比丘尼が活躍しており、とくに韓国では比丘と同数を占める。[三枝充悳]
 日本における比丘尼は、記録のうえでは、善信尼(ぜんしんに)と称した司馬達等(しばたっと)の娘がその初めとされる。奈良・平安時代にも尼の存在は認められるが、鎌倉時代になると尼門跡寺ができるなど一定の地位が築かれた。これらに対して、熊野比丘尼に代表されるような諸国を遊行する比丘尼が現れる。男性のヒジリに対応するもので、むしろ尼形の巫女(みこ)で祈祷(きとう)や託宣を業とした。近世の歌(うた)比丘尼や、遊女にまで転落した売(うり)比丘尼はそうした流れをくむといわれている。[佐々木勝]

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世界大百科事典内の比丘尼の言及

【尼】より

…出家して仏門に入った女性のこと。比丘尼(サンスクリットbhikṣuṇīの音写),尼法師ともいう。ふつうは戒律を守り,剃髪して,法衣を着るが,有髪のまま尼になることもある。…

【私娼】より

…したがって各地に多くの私娼が出現し,なかには堂々と営業を続けて,公娼をしのぐほどのものも珍しくはなかった。表面上は公娼制堅持の幕府にとって,私娼はすべて隠売女(かくしばいじよ)であったが,法令に出てくる名称だけでも風呂屋女,茶屋女,茶立女(ちやたておんな),給仕女,女踊子,綿摘(わたつみ),比丘尼(びくに),芸者などがあり,その存在を見過ごせなかった事情を物語っている。実際の私娼の名称は,俗称を含めてはるかに多く,表向きの職業や居住地名にちなんで命名されている。…

【出家】より

…仏門に入って僧尼となることである。仏教徒の集団を構成する七衆のうち在家の優婆塞(うばそく)・優婆夷(うばい)を除く,比丘(びく),比丘尼,式叉摩那(しきしやまな),沙弥(しやみ),沙弥尼の五衆は出家のなかに入る。鬚髪(しゆはつ)を剃り,墨染など壊色(えしき)に染めた衣をまとう状態になるので剃髪染衣(ていはつぜんえ)といい,とくに王侯貴族の出家は落飾(らくしよく)という。…

【僧】より

…サンガは元来,集団,共同体の意味で,修行者の集り,教団を指すが,中国では転じて個々の修行者を僧とよぶにいたった(その複数形をあらわす僧侶もまた,日本では個人を指す語に転化した)。
[インド]
 教団の構成員は出家修行者たる比丘(びく),比丘尼(びくに)と在家信者たる優婆塞(うばそく),優婆夷(うばい)の4種で,合わせて四衆とよぶ。また,修行者のうち未成年者を沙弥(しやみ),沙弥尼といい,女性で入団1年未満のものを式叉摩那(しきしやまな)とよび,これらを別出して七衆ともいう。…

※「比丘尼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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