二人比丘尼(読み)ににんびくに

百科事典マイペディアの解説

二人比丘尼【ににんびくに】

鈴木正三(しょうさん)作の仮名草子。1663年刊。二人の尼の問答,懺悔(ざんげ)話の中に仏教思想を織り込んだもの。蘇東坡の《九相詩》,一休作とされる《水鏡二人比丘尼》などの影響がみられる。
→関連項目仮名草子鈴木正三

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世界大百科事典 第2版の解説

ににんびくに【二人比丘尼】

仮名草子。鈴木正三(しようざん)著。2巻。1656年(明暦2)ごろ刊。《吉利支丹物語》《因果物語》《念仏草紙》など多くの著述をした正三の有名作の一つである。下総の須田弥兵衛が25歳で討死し,その妻は17歳で菩提を志す。ある御堂で20歳あまりの女に会い,2人ともに身の上話の後そこで暮らす。翌年女は死に,五七日まで死骸を見守ったがあさましき限りで,ついに妻女は寺入りし,ある老比丘尼に仕え大往生を遂げたという。

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大辞林 第三版の解説

ににんびくに【二人比丘尼】

仮名草子。二巻。鈴木正三作。初刊年未詳。明暦年間(1655~1658)以後の再刊本がある。戦乱で夫に死別した二人の尼の身の上話に蘇東坡の「九想詩」などを取り入れて、世の無常と念仏往生を説く。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

二人比丘尼
ににんびくに

鈴木正三(しょうぞう)作の仮名草子。1660年(万治3)刊。戦死した須田弥兵衛(やへえ)の妻は、その戦場近くで美貌(びぼう)の未亡人と出会い、ともに夫を弔ううちに、その女が病死する。里人に埋葬を依頼したところ、遺骸(いがい)は野に放置されていたために、初七日に訪れると、五体は膨れただれて異臭を放っていた。二(ふた)七日には肉が破れ鳥獣の餌食(えじき)となり、やがて白骨になってしまう。このありさまに無常の理を悟り、尼となって修行のすえ往生した、という筋(すじ)で、蘇東坡(そとうば)の『九相詩(くそうし)』や一休の『一休骸骨』などの影響がみられる仏教的啓蒙(けいもう)文芸である。[青山忠一]
『国書刊行会編『近世文芸叢書3 小説1』(1976・第一書房)』

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