三不去(読み)サンフキョ

デジタル大辞泉 「三不去」の意味・読み・例文・類語

さん‐ふきょ【三不去】

中国古代や日本律令制で、妻を離別してはならないとされた三つの場合。帰る家のない場合、しゅうとしゅうとめの喪を果たした場合、貧賤であった夫が富貴になっている場合。

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精選版 日本国語大辞典 「三不去」の意味・読み・例文・類語

さん‐ふきょ【三不去】

〘名〙 中国古代および日本の令制で、妻を離婚できないとする三つの条件をいう語。妻に帰る家のない場合、妻が舅姑(しゅうと)の喪を果たした場合、結婚した時に貧しく、後に裕福になった場合。〔令義解(718)〕 〔大戴礼本命

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世界大百科事典(旧版)内の三不去の言及

【三不去七出】より

…七出(また七去)とは,(1)無子(男子についていう),(2)姦淫,(3)舅姑(しゆうとしゆうとめ)につかえず,(4)口舌多言,(5)盗窃,(6)嫉妬,(7)悪疾(らい病の類)で,このうち一つに該当するとき,夫は妻を離婚できる。三不去とは,(1)妻が舅姑の喪を守りおえた場合,(2)貧賤のときに妻を娶り現在富貴となっている場合,(3)妻の実家がすでにない場合で,このうち一つに該当するときは,七出の事由があろうとも離婚は許されない。ただし姦淫,また時代によって悪疾のときは例外とされる。…

【離婚】より

…しかし貧窮な庶民は〈七出〉がどうであろうと,妻に離婚状なぞ与えてしまえば,その日から家事に困り,金がないので後妻も迎えられないので,うかつに離婚はできなかった。 いにしえの聖人は,妻を離婚しえない3条件〈三不去〉をも決めることを忘れなかった。〈三不去〉とは,めとったものの帰すべき里のない者,父母の3年の喪を終えているとき,初め貧賤で後に富貴になった場合。…

※「三不去」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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