生まれた年の干支(えと)をいう。古く中国から伝わってきた考え方で、それによれば、人の運命は本命によって示されるという。
また九星術(きゅうせいじゅつ)においては、各人の生年に中宮(ちゅうきゅう)在泊の九宮星(きゅうきゅうせい)を「本命星(ほんめいせい)」といい、それによってその人の性格、運勢、方位の吉凶などが予測できるとする。九宮とは洛書(らくしょ)から出たもので、八方位に中央の中宮を加えた九方位をさす。この九宮に一白(いっぱく)、二黒(じこく)、三碧(さんぺき)、四緑(しろく)、五黄(ごおう)、六白(ろっぱく)、七赤(しちせき)、八白(はっぱく)、九紫(きゅうし)の九星が配当されるが、九星は一定の法則によって1年に九宮を一つずつ移動する。その際、中央の中宮に在泊した星がその年の主星となり、その年に生まれた人の本命星となるわけである。なお、九星の循環は年だけではなく、月ごと、日ごと、時々刻々にその位置を転ずるので、人の本命星も厳密にいえば上記の生年本命星に加え、生月、生日、生時本命星の4種がある。しかし生年本命星は成年以降の運命を支配するとされ、通例、本命星といえばこの星をさす。
本命殺とは人の本命星在泊の方位で、この方位に向かっての移転、旅行、建築などを忌み、本命星の反対方位も本命的殺で凶方とする。
なお、競馬、競輪でいう本命とは、勝つと予想される馬や車のことである。
[吉野裕子]
…外出するのにその方角が禁忌とされる場合,前日に他の方角へ赴いて泊まり,そこから目的の地にゆくものである。方忌の根拠としては生年の干支である本命から個人的に凶方を割り出し,これを避けるものと,天一神(中神(なかがみ)),太白神,金神,王相,八将神,土公神などの諸神が遊行する方角や鬼門を忌む人々に共通のものとがある。前者は865年(貞観7)8月21日に清和天皇が東宮より内裏に移ろうとしたとき,天皇の本命が庚午で,東宮より内裏の方向である乾は絶命に当たるゆえ避けらるべきことを陰陽寮が上奏し,このためいったん太政官曹司庁に入っており,これが初例とされている。…
…九星による運勢判断は,昭和初年ごろには暗記していた老人もあったが,近年は関心も薄れ,九星によって結婚相手との相性を判断することも衰微してきた。 九星術では,自分の生れ年の九星を本命星(ほんみようしよう)といい,本命星が在宮する方位をその人の〈本命(ほんめい∥ほんみよう)〉,本命の反対の方角を〈的殺〉といって,ともに1年間は凶方とされる。また本命星が中宮にある年は,本人にとって本命も本命的殺もない。…
…九星による運勢判断は,昭和初年ごろには暗記していた老人もあったが,近年は関心も薄れ,九星によって結婚相手との相性を判断することも衰微してきた。 九星術では,自分の生れ年の九星を本命星(ほんみようしよう)といい,本命星が在宮する方位をその人の〈本命(ほんめい∥ほんみよう)〉,本命の反対の方角を〈的殺〉といって,ともに1年間は凶方とされる。また本命星が中宮にある年は,本人にとって本命も本命的殺もない。…
※「本命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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