舅姑(読み)キュウコ

デジタル大辞泉 「舅姑」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐こ〔キウ‐〕【××姑】

しゅうとしゅうとめ

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精選版 日本国語大辞典 「舅姑」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐こキウ‥【舅姑】

  1. 〘 名詞 〙 夫または妻の父母。しゅうととしゅうとめ。〔令義解(718)〕
    1. [初出の実例]「平均して舅姑(キウコ)両存は嫁の為めに仕合(しあはせ)なるが如し」(出典福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉四七)
    2. [その他の文献]〔礼記‐檀弓下〕

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改訂新版 世界大百科事典 「舅姑」の意味・わかりやすい解説

舅・姑 (しゅうとしゅうとめ)

婚姻契機として新たに設定される親族関係のなかで,夫からみて妻の父母,妻からみて夫の父母をシュウト・シュウトメとよぶが,一般的には嫁からみて夫の父母を指すことが多い。このことは伝統的な日本の婚姻居住形態が最終的に夫方居住となる例が多かったことに関連している。シュウト・シュウトメとの親族関係の締結は,婚姻儀礼におけるサカズキ(盃事(さかずきごと))を通じて行われる。夫と嫁の父母とのサカズキは夫の朝婿入りに際して行われることが多いが,嫁と夫の父母とのサカズキは祝言(しゆうげん)の中心的行事である。夫と嫁の父母,妻と夫の父母との双性的なオヤコ(親子)のサカズキを祝言のなかで行う型の婚姻儀礼もある。また祝言の前日にシュウトイリと称して,嫁の両親の夫の家への訪問を儀礼化している場合もある。

 嫁が夫の家に入る嫁入婚においては,とくに嫁と夫の父母との関係がきわめて重要であり,また妻方への一時的訪婚をともなう婿入婚においては夫と妻の父母との関係も合わせて重要である。嫁入婚においてはとくに嫁と夫の父母,なかでも嫁と姑の関係は主婦権をもつ者とこれをやがて奪う者との関係であり,緊張関係が形成される。これはいわゆる嫁姑問題の背景をなすものではあるが,しかし構造的な関係であり当事者意志とは一応関係がない。嫁入婚においてはまた夫と夫の父との緊張関係も強く,したがって嫁入婚によって形成される親子2世代夫婦同居の直系型家族は数々の緊張関係を含んでいた。これに対して婿入婚にもとづく家族は親子2世代夫婦の同居をできるかぎり回避しようとする傾向があり,緊張関係は生じにくい家族形態であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「舅姑」の意味・わかりやすい解説

舅・姑
しゅうとしゅうとめ

舅は夫の父(妻の父は外舅(がいきゅう))、姑は夫の母(妻の母は外姑(がいこ))であるが、日本ではすべてを「しゅうと」とよび、とくに夫の母(姑)をおもにさした。男系相承の家族制下では、他家から入嫁した妻と、姑との人間関係に問題が生じやすかったからであろう。しかし招婿婚制とよばれる平安貴族の家族などではまったく別趣であって、むしろ近世以後、職能身分制の体制下に家業相承を原則として直系世代家族の形が一般化してから、嫁姑の関係に種々不調和の事態を生じがちになった。家業相承を土台とする親子2世代夫婦の家族生活では、親の権威は強く、とくに家事管理では姑が実権を久しく握って嫁の立場は弱く、「家風」を早く体認させるという名目底意地の悪い「嫁扱い」も行われやすく、これに夫の姉妹(小姑(こじゅうと))などもときには加わった。いわゆる「嫁いびり」であり、婚後数年間の離婚がかつて多かったのも、おもにそのためといわれている。しかしこうした嫁姑関係はかならずしも一般的ではなく、個々の家々の事情にかかわり、嫁の境涯がつねに悲劇に終始したというわけではない。とくに隠居慣行の一般的であった地帯も意外に広く、そこでは「家」は分立せずに夫婦単位に世帯(生活単位)を別にし、しかも若夫婦は婚後まもなく家長の地位についたのである。近年の都市家族ではむしろ生活能力の減退した老夫婦、とくに姑の扶養問題が新しい課題となり、老人福祉のあり方とも相関して、舅姑(老夫婦)の生活問題が種々論議されるに至っている。

[竹内利美]

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普及版 字通 「舅姑」の読み・字形・画数・意味

【舅姑】きゆう(きう)こ

しゅうと、しゅうとめ。夫の父母。また妻の父母。〔礼記、郊特牲〕舅姑を卒(を)へ、、餘りを(しゆん)す(余り物をたべる)。之れを私(めぐ)むなり。

字通「舅」の項目を見る

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