富貴(読み)ふっき

精選版 日本国語大辞典「富貴」の解説

ふっ‐き【富貴】

〘名〙 (形動) =ふうき(富貴)
※高野本平家(13C前)一「毎月に百石百貫を送られければ、家内(けない)ふっきしてたのしい事なのめならず」
源平盛衰記(14C前)六「大中納言の(フッキ)栄耀の欲(ほし)さも、子を思也」
[語誌](1)「ふっき」は、諧声符「畐」を有する「福」「」「幅」「匐」などの読み「ふく」に類推して、「ふくき」と読んだものが促音化して生じた形。「東京大学国語研究室蔵孔雀経鎌倉初期点」や「仁和寺蔵無常講式建長元年(一二四九写本」に「富貴」を「フククヰ」と読んだ例が見える。
(2)室町時代の節用集類には「ふき」「ふうき」「ふっき」の三形が掲出されているが、「日葡辞書」では「ふうき」「ふっき」の二形のみとなった。

ふう‐き【富貴】

〘名〙
① (形動) 富んで尊いこと。財産が豊かで位の高いこと。ふっき。ふき。
※経国集(827)一三・奉和太上天皇青山歌〈良岑安世〉「富貴人間如不義、華封勧我帝郷意」
※彝倫抄(1640)「富貴(フウキ)なる人をば人とおもひ、貧賤の人をば悪人とおもふ」 〔易経‐繋辞上〕
② 古く、祥瑞とされた想像上の鳥。鳥の形をして獣の頭を持つ。
※延喜式(927)二一「祥瑞〈略〉富貴〈鳥形獣頭〉」
雑俳・新柳樽(1855)一二「紋所富貴は花の江戸の玉」

ふ‐き【富貴】

〘名〙 (形動) =ふうき(富貴)
曾我物語(南北朝頃)一「ふきにして善をなし安く、貧賤にして、をなしがたし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「富貴」の解説

ふう‐き【富貴】

[名・形動]金持ちで、かつ地位や身分が高いこと。また、そのさま。ふっき。「富貴になる」「富貴な(の)生まれ」⇔貧賤ひんせん
[類語]裕福富裕リッチ巨万潤沢有産富強豊か

ふっ‐き【富貴】

[名・形動]ふうき(富貴)」に同じ。
左而已さのみ―と言うでもないが」〈二葉亭浮雲

ふ‐き【富貴】

ふうき(富貴)」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通「富貴」の解説

【富貴】ふうき

家富み、身分が高い。〔史記、項羽紀〕項王、宮室の皆以(すで)に燒けて殘破せるを見、心に懷思して東に歸らんと欲す。曰く、富貴にして故に歸らざるは、(しう)を(き)て夜行くが如しと。

字通「富」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

戻り梅雨

梅雨が明けたあとに、再び梅雨のような状態に戻ること。返り梅雨。《季 夏》[類語]梅雨・梅雨ばいう・五月雨・空梅雨・菜種梅雨・走り梅雨・返り梅雨...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android