大戴礼(読み)ダイタイレイ

精選版 日本国語大辞典 「大戴礼」の意味・読み・例文・類語

だいたいれい【大戴礼】

  1. 中国の経書。八五編、うち三九編現存。前漢の戴徳撰。周・秦・漢代の礼説を集めたもの。だたいれい。

だたい‐れい【大戴礼】

  1. だいたいれい(大戴礼)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大戴礼」の意味・わかりやすい解説

大戴礼
だたいれい

前漢に存在した儒教文献のうち、『礼(れい)』の『記』『孔子三朝記』『曽子(そうし)』などを材料として、85篇(へん)に編纂(へんさん)された書物。『大戴礼記(だたいらいき)』ともいう。39篇のみ現存し、古代の礼関係の貴重な資料を伝える。鄭玄(じょうげん)以来、前漢の戴徳(たいとく)(甥(おい)の戴聖(たいせい)が小戴とよばれるのに対して大戴(だいたい)という)の編とされてきたが、古文学系の資料を含んでいることから、後漢(ごかん)の学風に近いもので、戴徳との関係は疑わしいという説もある。北周の盧辯(ろべん)の注があるが簡略で、清朝(しんちょう)考証学者の注釈、孔広森(こうこうしん)の『大戴礼記補注』、王聘珍(おうへいちん)の『大戴礼記解詁(かいこ)』などが参考になる。

[高橋忠彦]

『新田大作著『大戴礼』(1972・明徳出版社・中国古典新書)』『王聘珍著『大戴礼記解詁』(1983・中華書局)』

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