上音(読み)ジョウオン

デジタル大辞泉 「上音」の意味・読み・例文・類語

じょう‐おん〔ジヤウ‐〕【上音】

高い調子の声。高声
ある発音体の発する音のうち基音よりも振動数の多い音。倍音など。

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精選版 日本国語大辞典 「上音」の意味・読み・例文・類語

じょう‐おん ジャウ‥【上音】

〘名〙
① 高い調子の声。高声。
浄瑠璃・那須与一竹生島詣(1663)一一「とうとうはらを切るべしと、上おんにてなのられける」
謡曲階名。下音・中音・上音の順に高い音になる。
※わらんべ草(1660)二「右是は、字の上音、中音、下音の正也」
③ ある発音体の発する音のうち、基音よりも振動数の多い固有振動によって発する音の総称
[補注]②の挙例「わらんべ草」は、イロハ歌と一二三に上平の声点をさした後で記された文で、これによると、上・中・下の三段観のアクセント観察だったようである。普通は上・下の二段観。なお、最後の「正也」は、「ただすなり」の意か。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上音」の意味・わかりやすい解説

上音
じょうおん
overtone

音響学用語。一般に発音体から発せられる音は振動数の異なる純音の合成されたものと考えられるが,それら純音中最も振動数の小さな基音に対し,他のものは上音と呼ばれる。さらに上音中でも基音の整数倍となるものを倍音という。

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世界大百科事典(旧版)内の上音の言及

【音】より

…このように多くの純音の組合せでできる音を複合音,それぞれの純音を,その成分または部分音という。部分音のうちで振動数のもっとも低いものを基本音,それ以上の振動数の部分音を順次第1上音,第2上音,……という。とくにこの例のように上音の振動数がすべて基本音の振動数の整数倍であるときには,第2倍音,第3倍音,……という。…

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