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階名 かいめいsyllable names

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

階名
かいめい
syllable names

音楽用語。音階各度の呼び名。「ファ」という階名が最も一般的。 11世紀にグィード・ダレッツオが,ヘクサコードの各音を『聖ヨハネ賛歌』の各句の冒頭のシラブル"ut,re,mi,fa,sol,la"で呼ぶようにしたのが始りで,17世紀にオクターブを完成するために"si"が加えられ,"ut"は歌いやすい"do"に改められて,今日の階名が成立した。階名によって歌うことを階名唱法という。東洋,日本では,五声 (→五音 ) または七声の各名称を階名として用いることがある。

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デジタル大辞泉の解説

かい‐めい【階名】

音の絶対的高さにはよらず、音階における相互の位置関係から決まる音の呼称。西洋音楽のド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ、中国の音楽の(きゅう)・・角・(ち)・の類。→音名(おんめい)

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百科事典マイペディアの解説

階名【かいめい】

音階の各度の呼び名。音名の対。西洋古典音楽では一般に,長音階主音(第1音)から上方にド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シと名づける。たとえばハ長調のドはト長調のファである。

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世界大百科事典 第2版の解説

かいめい【階名】

音階上の各音を示す名。ただし,音名と違って絶対音高をさすのではなく,各音の相対的な位置を表す。西洋音楽では,ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シの7シラブルsyllableが用いられる。その起源については,11世紀初頭にグィード・ダレッツォが,聖ヨハネ賛歌《ウト・クエアント・ラクシスUt queant laxis》の詩(8世紀ころ)の各小区分第1シラブルに,ハから1音ずつ上がってゆく6音(ut,re,mi,fa,sol,la)を当てはめたことに由来するといわれるが,異説もある。

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大辞林 第三版の解説

かいめい【階名】

楽曲中の個々の音が全音階中のどの位置にあるかを示す名称。各音の高さの相対的関係を表し、絶対音高を示す音名に対する。西洋音楽では通常ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの七音に呼び分ける。 → 音名

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

階名
かいめい

音楽用語。音階中の各音を標準音との音程から決定した呼び名。音名と類似性、共通性をもつが、音名が絶対的音高を表すのに対し、階名は相対的音高を表す。
 中国、日本の伝統音楽の階名は五声と七声である(別名五音(ごいん)、七音(しちいん)とも)。五声は宮(きゅう)・商(しょう)・角(かく)・徴(ち)・羽(う)。七声は宮・商・角・変徴(へんち)・徴・羽・変宮(へんきゅう)。中国理論では十二律の各音を宮とし(十二均)、一つの均(きん)に宮調・商調など音程関係の異なる音階が存在すると考えられた。中国民間には、七声を表すのに、唐の篳篥(ひちりき)譜に基づく「工尺譜」があり、合・四・一・上・尺・工・凡・六・五・乙の10字が使われる。この五声、七声は奈良時代に日本に到来し、雅楽や声明(しょうみょう)に用いられた。のち、平安後期の楽制改革により、これらの六調子と枝調子はすべて主音を宮とし、五声に変角や嬰羽(えいう)を用いて表すようになった。五声はその字画からウ(宮)・六(商)・ク(角)・山(徴)・=ヨ(羽)という略記法もある。そのほか日本では、謡曲のヨワ吟、ツヨ吟それぞれにある上・中・下・クリ・呂(りょ)などの名称も、階名とみなしうる。
 西洋音楽の階名はド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シである。11世紀にグイード・ダレッツォが『聖ヨハネ讃歌(さんか)』の旋律に含まれるヘクサコルドの各音を、それに対応する歌詞のシラブルut、re、mi、fa、sol、laで表したことに始まり、その後17世紀に第7音siを加え、utをdoに読み替えて完成した。これは現在イタリア、フランスでは音名でもある。
 階名は調性により変化しないため読譜に便利で、西洋ではこれによる唱法をソルミゼーションという。日本では五声、七声は階名唱法に用いず、これにかわる口承の手段として、トチチリチンなどという口三味線(くちじゃみせん)、雅楽の篳篥(ひちりき)、竜笛(りゅうてき)、能管の唱歌(しょうが)など、各楽器固有の唱法が数多くある。その他、インドに紀元前から存在するサンスクリット語の階名サ・リ・ガ・マ・パ・ダ・ニ(シャッジャ、リシャバ、ガンダーラ、マディヤマ、パンチャマ、ダイバタ、ニシャーダの七声の略)は、偶然にも西洋の階名と酷似し、サリガマ唱法がある。またインドネシアには、バリにドン・デング、スンダにダミナ式、ジャワにティティララス・クパティハンとよばれる五声または七声の階名がある。[橋本曜子]

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