入撥(読み)いればち

精選版 日本国語大辞典 「入撥」の意味・読み・例文・類語

いれ‐ばち【入撥】

〘名〙
三味線で、撥を胴皮に打ちつけるように弾くこと。多く、初心者の弾き方。
洒落本・戯言浮世瓢箪(1797)四「今時三弦(しゃみせん)はめっ多に、入撥(イレバチ)斗ひいて、皮叩くのでやかましい抔と言て」
② 指定されている音以外の音を演奏者が入れ、奏することをいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「入撥」の意味・わかりやすい解説

入撥 (いればち)

三味線音楽の演奏法。正式に演奏会場で演奏する場合,三味線奏者(三味線方)は,定められた型のとおりに弾くのが一般的であるが,ときとして本来休符であるべき個所を弾いたり,同じ間(ま),同じ拍子の中に,即興的に撥を加えて,音を多くすることがある。このように撥を加える,つまり撥を余計に入れることをいう。
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