国家安全保障法(読み)こっかあんぜんほしょうほう

山川 世界史小辞典 改訂新版 「国家安全保障法」の解説

国家安全保障法(こっかあんぜんほしょうほう)
National Security Act

アメリカが冷戦勃発に伴い,封じ込め政策を実施するために国内体制の整備,強化をめざし,1947年7月に制定した法律。大統領外交・軍事政策諮問機関としての国家安全保障会議(NSC),陸・海・空軍省を統合する国家軍事機構(49年に国防省改編),この機構(省)を率いる国防長官,陸・海・空軍の3軍を統括する統合参謀本部諜報機関中央情報局(CIA)などを設立した。いずれも戦後のアメリカの安全保障政策において中枢的機能を果たしている。

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世界大百科事典(旧版)内の国家安全保障法の言及

【CIA】より

…アメリカの中央情報局Central Intelligence Agencyの略称。国防総省(ペンタゴン),国家安全保障会議などとともに1947年の国家安全保障法National Security Actによって設立された。第2次世界大戦直後の東西冷戦状況のなかで,それまで国務,陸・海軍各省が個々に行っていた情報収集・諜報活動を統合し,大統領の直属機関として,対外政策の決定に必要な秘密情報を提供することを任務としている。…

【ペンタゴン】より

…1982)。1947年の国家安全保障法National Security Actにより創設されたが,その主たるねらいは,第1次,第2次世界大戦以来しばしば指摘されてきた陸,海軍の対立,作戦面での不整合を最高指揮系統の一本化によって解消し,また戦後の冷戦状況下でより機能的,合目的的な国防政策体系を確立することであった。なお,これを機に空軍は陸軍省から独立した。…

※「国家安全保障法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」