年季契約奉公人(読み)ねんきけいやくほうこうにん(英語表記)indentured servants

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「年季契約奉公人」の意味・わかりやすい解説

年季契約奉公人
ねんきけいやくほうこうにん
indentured servants

17~19世紀に一定期間労働することを契約してヨーロッパから北アメリカの中部および南部植民地や西インド植民地に渡った労働者。いくつかの類型がある。 (1) 渡航費前借移民労働者 通常2~7年間,平均4年間渡航費の代償として不自由労働に服し,年季が明ければ自由労働者となる。アメリカ独立までの全移民の 60~70%に達すると見積られる。 (2) 徒弟奉公人 特殊な仕事を修得するかわりに不自由労働に従事する少数の者。 (3) 囚人労働者 死刑減免として植民地に送られ,軽い場合7年,重罪では 14年ないし終身の不自由労働者。独立までに約 5000人が北アメリカ大陸植民地に送られ,独立後まもなく行先がオーストラリアに変った。 (4) 誘拐された者 「クリップス」などと呼ばれる誘拐業者が介在した。 (5) 植民地法廷で窃盗罪や不法な逃亡罪判決を受け不自由労働に服する者。 (6) 負債のための不自由労働者。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android