搗米屋(読み)つきごめや

精選版 日本国語大辞典 「搗米屋」の意味・読み・例文・類語

つきごめ‐や【搗米屋】

〘名〙 つきごめを商売する店。玄米を精白して小売りする店。また、その人。
浮世草子傾城色三味線(1701)京「突(ツキ)米屋の茂平次殿とて、ほこり商売でござれども」

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改訂新版 世界大百科事典 「搗米屋」の意味・わかりやすい解説

搗米屋 (つきごめや)

搗米は精米する作業で,近世にはこれを専業とするものが成立し,搗米屋と呼ばれて米穀流通の最終過程を担当した。江戸には1744年(延享1)当時18組,およそ2100人の搗米屋が存在し,臼5500ほどを使って営業していた。このほか搗米を営むものとして大道搗が,1727年(享保12)当時1100人ほどいた。搗米屋,大道搗はともに玄米を河岸八町米仲買(25人),脇店八ヵ所組米屋(275人)から買い入れ,白米にして消費者に売っていた。消費者への米の販売は,河岸八町米仲買と脇店八ヵ所組米屋が玄米を,搗米屋が白米を売ること以外にはできなかった。また1744年以降は,農村で白米にして江戸市中へ売ることも禁じられていた。
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