桐油合羽(読み)とうゆガッパ

精選版 日本国語大辞典 「桐油合羽」の意味・読み・例文・類語

とうゆ‐ガッパ【桐油合羽】

〘名〙 (カッパcapa) 桐油紙製の雨合羽人足などが用いたもの。桐油。
咄本・鹿の巻筆(1686)四「うちつれてゆきて見れば、とうゆがっぱの看板なり」

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世界大百科事典(旧版)内の桐油合羽の言及

【油紙】より

…桐油(とうゆ)紙ともいい,西の内紙,美濃紙など厚手の純日本紙に,まずカキ渋を塗って乾燥し,その上に桐油または荏油(えのあぶら)を何回も塗って乾燥したじょうぶな防水紙。これを表にして裏に薄布を合わせた防水衣を桐油合羽(とうゆがつぱ)と名づけて古くから外出着に用い,ただ厚紙のみのものは油単(ゆたん)と呼ばれて荷物の雨覆いに用い,雨傘には必ず用いられた。また雨よけの障子に張って油障子と呼び,現に歌舞伎の舞台に見る《吉例寿曾我》対面場のしとみ障子,《鬼一法眼三略巻》菊畑の花壇の覆いなどがそれである。…

【合羽】より

…寒さや雨雪を防ぐために衣服の上に着用する外衣。語源はポルトガル語のカパcapaで,16世紀後半,日本に来航したポルトガル人やスペイン人などが着ていた〈袖もなくすそ広きもの〉(《四季草》)にちなむ。織田信長,豊臣秀吉,足利義昭など当時の支配者たちは早速これをまねて,西洋から献上された最高級羊毛布地の〈猩々緋(しようじようひ)〉(赤紫色)で同形のものを作らせ,カッハ,カハン,カッパなどと称して身辺に置き,権威の象徴とした。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」