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合羽 かっぱ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

合羽
かっぱ

江戸時代に流行したちりよけ,雨具兼防寒具。合ポルトガル語の capaのあて字で,15世紀後半南蛮文化とともに輸入され,日本語では南蛮蓑 (みの) と称した。ラシャでつくられ,色は黒,赤,緑などがあり,特に緋色は猩猩緋 (しょうじょうひ) といって最高級品とされた。広げると丸いことから丸合羽と称されたが,18世紀後半になると縞木綿でつくられ,回し合羽または引回しとも呼ばれた。また,赤い桐油紙で作られた赤合羽もある。丸合羽をきもの仕立てにしたのが袖合羽であり,これを防寒具として独立させたのが被布 (座敷合羽) であった。また袖合羽の一種で丈が短く四角い襟に特色のあるのが鷹匠合羽で,これを歌舞伎の道行に着用したところから道行が出現した。

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百科事典マイペディアの解説

合羽【かっぱ】

おもに江戸時代に用いられた雨具。15世紀中ごろ南蛮文化の輸入に伴ってもたらされたもので,合羽はポルトガル語の当て字。初めは羅紗(らしゃ)製で広げると円形になる丸合羽であったが,江戸時代には紙製,木綿製のものも現れ,着物仕立の袖(そで)合羽もでき,一般に普及した。

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世界大百科事典 第2版の解説

かっぱ【合羽】

寒さや雨雪を防ぐために衣服の上に着用する外衣。語源はポルトガル語のカパcapaで,16世紀後半,日本に来航したポルトガル人やスペイン人などが着ていた〈袖もなくすそ広きもの〉(《四季草》)にちなむ。織田信長豊臣秀吉足利義昭など当時の支配者たちは早速これをまねて,西洋から献上された最高級羊毛布地の〈猩々緋(しようじようひ)〉(赤紫色)で同形のものを作らせ,カッハ,カハン,カッパなどと称して身辺に置き,権威の象徴とした。

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大辞林 第三版の解説

カッパ【合羽】

雨の時に着る防水性の上着。雨ガッパ。
一六世紀に来日した宣教師の寛衣をまねて作った防寒コート。雨具にも用いられた。初めは、ラシャ・ビロード製で袖のないものであったが、後には木綿・桐油紙とうゆしなどで作り、袖付きのものもできた。
荷物・駕籠かごなどの雨おおいに用いる桐油紙。 〔「合羽」とも書く〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

合羽
かっぱ

雨具と防寒具を兼ねた服飾品。合羽はポルトガル語のcpaから出たことばで、「合羽」は当て字である。わが国には15世紀の後半、南蛮文化とともに舶載された。それまでわが国の防寒、防雨具は、植物繊維で編んだ蓑(みの)であったが、合羽が当初「南蛮蓑」とよばれたのは、蓑と合羽の相似性のゆえである。合羽は広げると円形になるので丸合羽といわれ、また南蛮僧が着用していたところから坊主合羽ともいわれた。羅紗(らしゃ)製で、色は黒、赤、黄、緑などがあり、緋(ひ)色のものをとくに「猩々緋(しょうじょうひ)」とよんで、最高級品とした。豊臣(とよとみ)秀吉が、大坂城落成のおりに招待した南蛮僧が、天守閣の各層に合羽が下がっているのをみて驚嘆した話は有名である。紫ビロード地に周囲を金モールで飾った上杉謙信(けんしん)遺愛のものが、現在山形県米沢(よねざわ)市の上杉神社に蔵されており、水戸徳川家にも緑羅紗製品のものが残されている。羅紗は輸入品であり、そのうえ高価なものであったから、わが国では、わらび糊(のり)を使って和紙を継ぎ合わせて、その上に桐油(とうゆ)と柿渋(かきしぶ)を引いた紙合羽、桐油合羽がつくられた。のちには縞(しま)木綿を表に、絣(かすり)木綿を裏にして、防水用の渋紙を中入(なかいれ)にした廻(まわ)し合羽がつくられ、これを引き廻しともいって庶民の道中用にした。しかし、廻し合羽は着物には不便なので、着物仕立ての合羽が考案され、これを袖(そで)合羽とよんで男女とも利用した。
 江戸時代中期以降になると、羅紗を使った高価な袖合羽もしだいに一般化した。合羽は丈の長短により長合羽、半合羽といわれ、小者や庶民の間では半合羽ですませる男性もいた。合羽の普及に伴い、女性は雨具よりも防寒用具として高級織物でつくり、これをお座敷合羽あるいは被風(ひふ)とよんで利用した。被風は後の被布の前身であり、被風の流行は女の羽織を禁止するほどまでに至った。合羽の襟を角襟として、丈の短いものが、鷹匠(たかしょう)や餌差(えさ)しなどの人たちの間で用いられ、これが歌舞伎(かぶき)の『忠臣蔵』の勘平の扮装(ふんそう)に取り入れられ、お軽が道行に借用して着たところから、この合羽を「道行」というようになった。明治から大正にかけレインコートの普及に伴い合羽の需要はしだいに減少し、和服とその運命をともにしている。[遠藤 武]
『遠藤武「南蛮伝来服飾考」(『和洋女子大学紀要』第4集所収・1956)』

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世界大百科事典内の合羽の言及

【雨具】より

…雨降りの外出や労働のさい身に着ける外衣,かぶりもの,履物などの総称。蓑,合羽,笠,傘,レインコート,帽子,足駄(高下駄),雨靴などがある。わら,スゲ,海藻などの植物,防水加工を施した紙や布,ゴム,ナイロンなど撥水性のある素材で作られる。…

【ケープ】より

…日本には16世紀にポルトガル人によってもたらされ,上杉謙信などの武将が用いた。後に合羽として庶民に普及した。【池田 孝江】。…

※「合羽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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