此に・是に・爰に(読み)ここに

精選版 日本国語大辞典 「此に・是に・爰に」の意味・読み・例文・類語

ここ‐に【此に・是に・爰に】

〘接続〙
① 先行の事柄の当然の結果として、後行の事柄が起こることを示す。それで。そこで。それゆえ。
古事記(712)上「高天の原動(とよ)みて、八百万の神共に咲(わら)ひき。於是(ここ)に天照大御神、怪しと以為(おも)ほして」
② 話題の転換など、事柄を説き起こすことを示す。さて。その時。
※古事記(712)上「故(かれ)、三年に至るまで其の国に住み給ひき。是(ここ)に火遠理命(ほをりのみこと)、其の初めの事を思ほして、大きなる歎(なげき)一つしたまひき」
※太平記(14C後)一「爰に本朝人皇の始、神武天皇より九十五代の帝、後醍醐天皇の御宇に当て、武臣相模守平高時と云者あり」
[補注](1)会話の中の文頭に用いられる次のような「源氏夕顔」「われ人を起さむ。手たたけば山彦の答ふる、いとうるさし。ここに、しばし、近く、とて右近を引き寄せ給て」などの場合は、呼びかけを表わす一語の感動詞とする説がある。
(2)接続詞用法漢文訓読から生じた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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