法律訴訟(読み)ほうりつそしょう(英語表記)legis actio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法律訴訟」の意味・わかりやすい解説

法律訴訟
ほうりつそしょう
legis actio

ローマ法史上最古の民事訴訟制度。ガイウスは,救済されうる権利があらかじめ法律によって定められ,あるいは当事者の履行すべき方式が厳格に法定化されていたことに,この名称の由来があると説く。公権力のにない手たる法務官が訴権付与または拒絶の法の宣言 iurisdictioを行う法廷手続と,私人たる審判人が事実を審理し,判決を下す審判手続の2つの段階から成る。公的救済 (前者) と私力救済 (後者) とが結合した訴訟手続である。当事者には形式的な式語と象徴的な動作の履行が要求され,式語の1語の言い誤りや変更も,また動作の些細な失敗も,敗訴の危険に通ずるものであった。法律訴訟には,神聖賭金による法律訴訟,審判人または仲裁人申請による法律訴訟,通告による法律訴訟,拿捕による法律訴訟,差押えによる法律訴訟の5種類があった。前3世紀末以来,方式書訴訟に圧倒され,前 17 (8) 年のユリウス法によってついに廃止された。

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