拿捕(読み)だほ(英語表記)seizure

翻訳|seizure

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

拿捕
だほ
seizure

軍艦または軍用航空機などが、一定の船舶または航空機をその支配下に置き占有する行為。戦時には、交戦国の軍艦は、敵国の船舶、あるいは戦時禁制品の輸送、封鎖の侵破などを行った中立国船舶を海上で拿捕することができ、拿捕された敵国軍艦・公船は戦利品となり、敵国私船および中立国船舶は自国の捕獲審検所で検定のうえ処分が確定する。平時においては、いずれの国の軍艦・軍用航空機なども、公海において、国籍のいかんを問わず、海賊船舶・航空機を拿捕し、自国で処罰するために自国に引致することができる。また、公海漁業・資源保存に関する諸条約で、すべての当事国の権限ある公務員が違反船を拿捕しうる旨規定している場合がある。もっとも処罰は旗国が行う(北太平洋公海漁業条約、オットセイ保護条約など)。また、200海里水域内での漁業違反に対する沿岸国による拿捕およびその後の措置が、条約あるいは国内法で規定されている(日ロ地先沖合漁業協定、排他的経済水域漁業等主権的権利行使法など)。

[水上千之]

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デジタル大辞泉の解説

だ‐ほ【×拿捕/×拏捕】

[名](スル)捕らえること。特に、軍艦などが他国の船舶などをその支配下におくこと。「領海侵犯の漁船を―する」

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世界大百科事典 第2版の解説

だほ【拿捕 seizure】

軍艦や軍用航空機等が,外国の船舶を支配下に置き占有すること。捕すべき船舶に士官を乗り込ませ,実力を背景に船長以下の乗組員命令に従わせる。私船による拿(私拿捕船)は1856年のパリ宣言により禁止された。航空機に対する拿捕も法的には可能である(国連海洋法条約105条)。戦時には,海上における捕獲権行使に際し,敵船は・私船を問わず拿捕の対象となり,戦時禁制品輸送,封鎖侵破,軍事的援助等,敵国に有益な行動をとった中立船も臨検捜索のうえ拿捕される。

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