炭素工具鋼(読み)たんそこうぐこう(英語表記)high-carbon tool steel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「炭素工具鋼」の意味・わかりやすい解説

炭素工具鋼
たんそこうぐこう
high-carbon tool steel

炭素量 0.6~1.5%の硬鋼工具鋼の名称は品質表示で,用途は工具とはかぎらない。炭素が 0.6~0.8%のものは,小刀,刻印ぜんまいなど日常用品に使われるほか,レールやシャフトなどの機械部品,普通工具に多く用いられる。炭素が 0.8%以上のものは,工業用木工具,ねじ切りタップ,バイトなどの金工工具,かみそりやすりなどに用いられる。焼鈍材の硬さはブリネル硬さ HB 200前後であるが,焼入れると炭素量によってロックウェル硬さ HRC 54~65の差を生じるので,用途が変る。切削工具用としては安価で切れ味がよく,よい鋼種であるが,高速機械切削では刃先が摩擦熱のため焼きが戻り軟化する欠点があるので,高速度鋼が開発された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android