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工具鋼の一種で、鉄鋼その他の材料を高速度で切削しても刃先が軟化せず、切れ味を保つ切削用鋼という意味で名づけられた鋼。1900年アメリカのテーラーF. V. TaylerとホワイトM. Whiteにより、クロムとタングステンとを多量に添加した鋼を1200℃以上の高温から焼き入れたときにこの性質が得られることが発見された。高速度鋼の代表的な組成は18・4・1、すなわちタングステン18%、クロム4%、バナジウム1%、および約0.7%の炭素である。タングステンの一部または全部を重量で約2分の1のモリブデンによって置換しても類似の性質が得られ、これをモリブデン高速度鋼という。コバルトを添加すると高温強度がより向上する。切削工具のみでなく、多くの耐摩耗部品に用いられる。
[須藤 一]
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…これらの工具鋼は耐摩耗性に優れ,衝撃にも耐えるように調質することができるので,単に切削工具材料とされるのみではなく,ブロックゲージなどのゲージ類,ぜんまい,ペン先などにも活用される。
[高速度鋼]
俗にハイスともいわれ,金属材料の高速切削用にイギリスで開発された鋼である。開発当初,炭素1.5~2%,タングステン7~8%を含み,これにマンガン1~2%が添加されていた。…
※「高速度鋼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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