炭酸脱水酵素(読み)タンサンダッスイコウソ(英語表記)carbonic anhydrase

デジタル大辞泉 「炭酸脱水酵素」の意味・読み・例文・類語

たんさん‐だっすいこうそ【炭酸脱水酵素】

動物体内に存在し、炭酸二酸化炭素と水に分解する、亜鉛を含む酵素。逆の反応で二酸化炭素を炭酸に変換することもでき、組織から二酸化炭素を運び出したり、肺で変換した二酸化炭素を排出したりするはたらきをもつ。炭酸デヒドラターゼカルボニックアンヒドラーゼ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「炭酸脱水酵素」の意味・わかりやすい解説

炭酸脱水酵素
たんさんだっすいこうそ
carbonic anhydrase

炭酸と二酸化炭素の平衡化の反応 H++HCO3-⇔CO2+H2O を加速する酵素。動物組織のほか植物,微生物に広く分布し,ことに赤血球,肺,胃粘膜などでよく研究されている。上記の反応は酵素なしでも進行するが,この酵素によって大いに加速され,末梢組織と血液の間,また血液と肺の間での二酸化炭素 (炭酸ガス) の交換に,生理的意味をもつ。また胃壁では左向きの反応によって,胃液中の酸分泌に役割を果していると考えられる。赤血球の酵素は分子量約3万で亜鉛1原子を結合している。代謝回転速度の最も速い酵素の一つとして知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

栄養・生化学辞典 「炭酸脱水酵素」の解説

炭酸脱水酵素

 →カルボニックアンヒドラーゼ

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android