百済記百済新撰百済本記(読み)くだらきくだらしんせんくだらほんき

改訂新版 世界大百科事典 「百済記百済新撰百済本記」の意味・わかりやすい解説

百済記・百済新撰・百済本記 (くだらきくだらしんせんくだらほんき)

日本書紀》の注に引用された百済の史書。《百済記》は物語的で,神功~雄略紀にみえるから近肖古王~蓋鹵(がいろ)王の時代(346-475),《百済新撰》は編年体のようで,雄略~武烈紀にみえるから蓋鹵王武寧王の時代(455-523),《百済本記》は日付干支まで添え継体~欽明紀にみえるから武寧~威徳王即位の時代(501-554)をそれぞれ記述していたと推測される。各書の全巻の記述範囲・成立年代・撰者などは不明。《日本書紀》はこれらの史書の記述に頼って,4世紀後半~6世紀前半の記事の年代決定をしている場合がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報