荘・庄(読み)しょう

精選版 日本国語大辞典 「荘・庄」の意味・読み・例文・類語

しょう シャウ【荘・庄】

〘名〙 (「しょう」は「荘」の呉音。「庄」は「荘」の俗字)
① 奈良時代、生産物を貯蔵するためのいくつかの倉屋を中心として若干の園地が付属していた経営単位としての地域。生産的な土地である墾田とは区別される。
※続日本紀‐神護景雲元年(767)五月戊辰「墾田一百町。稲一万二千五百束。庄三区。〈略〉献於西大寺
② 奈良末・平安時代以降、墾田と倉屋(在家)を含んで、公家寺社私有に属した地域。荘園
※三代格‐八・延暦一六年(797)八月三日「右浮宕之徒集於諸庄、仮勢其主、全免調庸
③ 荘園の廃止後、かつての荘園の名を受け継いでいる土地の呼び名。郷(ごう)と並び称せられるもの。
曾我物語(南北朝頃)一「ひそかに本国にくだり、おうみのしゃうに住して」
④ むらざと。いなか。また、その地に設けられた別宅をもいう。山荘別荘
⑤ 日本が統治していたころの台湾の行政区画の一つ。「街」の下、「社」の上にあり、日本の「町」にあたった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報