雲竜院(読み)うんりゆういん

日本歴史地名大系 「雲竜院」の解説

雲竜院
うんりゆういん

大門南東に位置する泉涌寺の別院で、別格本山本堂は江戸初期の一重入母屋造で、国指定重要文化財。本尊薬師如来。開基は僧聖皐竹巌。初め竜華りゆうげ院、のち雲竜院と改める。竹巌は後光厳・後円融・後小松各天皇の帰依を受け、播州伊川いかわ荘・丹波国日置荘を寄進される(坊目誌)。「薩戒記」応永三二年(一四一六)九月一〇日条に、後小松上皇の御幸があり「二代御廟後光厳、後円融、各有御影、御焼香」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の雲竜院の言及

【泉涌寺】より

…明治維新の神仏分離と神道国教政策によって,天皇陵は当寺から切りはなされ,天皇家の保護も薄くなったが,いまも寺内の霊明殿(れいめいでん)には四条天皇以下の歴代の天皇や女院の尊像や位牌が,また海会堂(かいえどう)には天皇や女院の念持仏がまつられている。なお,山内には,後光厳・後円融・後小松三帝が帰依された雲竜院,西国三十三所観音霊場第15番札所として名高い今熊野観音寺をはじめ,戒光寺,善能(ぜんのう)寺,新善光寺,悲田院,即成(そくじよう)院など多くの塔頭(たつちゆう)がある。【藤井 学】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」