ああん(読み)アアン

デジタル大辞泉 「ああん」の意味・読み・例文・類語

ああん

[副]大きく口を開けるさま。名詞的にも用いる。「ああんをしてごらん」
[感]
大声で泣くときに発する語。
目下の者にいばって問いかけるときなどに発する語。「ああん、その態度はなんだ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ああん」の意味・読み・例文・類語

ああん

  1. [ 1 ] 〘 感動詞 〙
    1. 江戸時代、子供や女性が、おじぎをするときに発したことば。「さいなら、ああん」
    2. 目下の者などに、いばって問い掛けるときのことば。
      1. [初出の実例]「(ああん。)と聞えぬ振して、巡査が耳を傾けたのは」(出典:日本橋(1914)〈泉鏡花〉一八)
    3. 物事が思うようにいかないとき、人に甘える気持をこめて言うことば。
      1. [初出の実例]「『ああん、酔っちまった!』同じことを執拗(しつこ)く繰返しながら」(出典疑惑(1913)〈近松秋江〉)
    4. 子供などが大声で泣くときに発する声。
      1. [初出の実例]「アーン、アンアン。姉ちゃんが悪いんだ」(出典:子供の四季(1938)〈坪田譲治〉子供部隊)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴う場合が多い ) 口を大きく開くさま。「ああん(を)する」のように名詞的にも用いる。
    1. [初出の実例]「若旦那からお使ひ物、サ、アアーンと口をお開き」(出典:落語・成田小僧(1889)〈三代目三遊亭円遊〉)

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