あおり行為(読み)あおりこうい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「あおり行為」の意味・わかりやすい解説

あおり行為
あおりこうい

法律上は、違法な行為決意させたり、その決意を強めたりするために勢いのある刺激を与える行為のことをいう。扇動同義。このような行為が禁止される例に、公務員争議行為をあおる場合がある。公務員は争議行為が禁止されており、また、だれであっても、争議行為を計画したり、そそのかしたり、あおることが禁止されている。このような禁止に違反した公務員は、身分上の保護を失う(国家公務員法98条3項、地方公務員法37条2項)。そして、とくに争議行為をあおるなどの行為をした場合には、だれであっても刑罰が科せられることになっている(国家公務員法110条1項17号、地方公務員法61条4号)。争議行為をすること自体は処罰されないが、その準備活動を罰則つきで禁止することは、実際上、争議行為を刑罰の威嚇をもって禁止するのと異ならない。

[吉田美喜夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のあおり行為の言及

【煽動罪】より

…煽動とは,いわゆる〈あおり行為〉をいう。現行法上煽動が処罰される場合としては,爆発物取締罰則4条,破壊活動防止法4条2項,国税犯則取締法22条1項,国家公務員法110条1項17号,地方公務員法61条4号等がある。…

※「あおり行為」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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