禁止(読み)きんし

日本大百科全書(ニッポニカ)「禁止」の解説

禁止
きんし

抑制制止あるいは禁制禁忌味で使われ、生理的、心理的に正常な機能が妨害されることをいう。学習心理学では、学習された行動が失敗したり消失したりする過程を説明するための概念である。一般的には、興奮過程に対し抑制的に働く活動をいう。近親相姦(そうかん)の禁止というときの禁止は禁制、禁忌の意である。レビ・ストロースは、近親相姦の禁止は婚姻による女性の交換を保証する社会的制度であり、「禁止が社会をつくる」と述べている。

[外林大作・川幡政道]

『レヴィ・ストロース著、仲沢紀雄訳「人類学の課題」(『今日のトーテミスム』所収・1970・みすず書房)』

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精選版 日本国語大辞典「禁止」の解説

きん‐し【禁止】

〘名〙 (古くは「きんじ」とも) 人がある行為をしないようにとめること。やらせないこと。禁制。
※続日本紀‐和銅五年(712)一二月辛丑「冝令所司厳加禁止
※易林本節用集(1597)「禁止 キンジ」
真空地帯(1952)〈野間宏〉六「中隊全員の外出が禁止されたとしても」 〔史記‐秦始皇本紀〕

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デジタル大辞泉「禁止」の解説

きん‐し【禁止】

[名](スル)《古くは「きんじ」とも》ある行為を行わないように命令すること。「通行禁止する」「外出禁止

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世界大百科事典内の禁止の言及

【下命】より

…広義では,公の機関が人民に対して一定の事項(作為・給付・受忍または不作為)を命ずること。このうち不作為を命ずるものをとくに〈禁止〉と呼ぶ。下命は,立法作用たる下命(例,納税義務の法定,銃砲刀剣類所持の一般的禁止),司法作用たる下命(例,民事判決による金銭支払の命令,刑事判決による刑の言渡し)および行政作用たる下命に区別することができる。…

【行政行為】より


[行政行為の内容と効果]
 以上の意味において,行政行為とは行政庁の種々の行為を包括する抽象概念であるが,具体的にみると,行政行為の内容としては次のようなものがありうる。(1)〈下命〉および〈禁止〉 人に一定の行動(作為,不作為,給付,受忍)を命ずることを下命,そのうちとくに不作為を命ずることを禁止という。行政行為による下命,禁止の例として,道路交通法に基づく違法駐車車両の移動命令,道路標識による通行禁止等がある。…

※「禁止」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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