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争議行為 そうぎこうい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

争議行為
そうぎこうい

労働関係の当事者がその主張を貫徹することを目的として行う正当な行為およびこれに対抗する正当な行為であって,かつ業務の正常な運営を阻害する行為 (労働関係調整法7) をいう。労働者の争議行為にはストライキボイコット,ピケット,サボタージュ,残業拒否,休暇闘争,職場占拠などがあり,使用者の争議行為にはロックアウトがある。いずれの争議行為にしろ目的と手段において正当なものでなければならない。労働組合側についていえば,正当な争議行為についてのみ刑事・民事免責が認められるから,正当性の範囲が問題になる。判例は諸権利との調和のなかでの具体的妥当性に,学説は社会的妥当性にそれぞれ判断基準を求めている。 (→争議権 )

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デジタル大辞泉の解説

そうぎ‐こうい〔サウギカウヰ〕【争議行為】

労働関係の当事者が、その主張を貫徹するため、またそれに対抗するために行う、業務の正常な運営を阻害する行為。労働者側ではストライキサボタージュなど、使用者側ではロックアウトなどがある。

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百科事典マイペディアの解説

争議行為【そうぎこうい】

労働者が使用者に対し主に労働条件等に関して自己の主張を実現するためにとる闘争行為と,これに対抗する使用者の行為。労働者の争議行為はストライキが典型的で,サボタージュボイコット生産管理工場占拠等が含まれ,ピケッティングを伴う場合が多い。
→関連項目強制仲裁公共企業体等労働関係法地方公営企業労働関係法平和義務平和条項労働関係調整法労働争議

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世界大百科事典 第2版の解説

そうぎこうい【争議行為】


[争議行為の概念]
 労働組合法8条は〈同盟罷業その他の争議行為〉という概念を使用しているが,その意味を明示していない。わずかに労働関係調整法7条が〈業務の正常な運営を阻害するもの〉と定義するのみである。学説も従来はこれにならい業務阻害性を本質と理解する傾向にあった。しかし,争議行為と組合活動は,リボン着用闘争あるいはビラはり活動の例に示されるように,必ずしも明快に区分することができない。さらに同8条は,正当な争議行為に限って民事免責を規定しており,組合活動に民事免責が適用されないがゆえに,何が民事免責の効果を伴う争議行為であるか,反対に何が民事免責の効果を伴わない組合活動であるか,その範囲を画するために争議行為の概念を定義することは,実益のある重要な問題となっている。

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大辞林 第三版の解説

そうぎこうい【争議行為】

労働関係の当事者が、その主張の貫徹を目的として、あるいはこれに対抗するためになす行為で、業務の正常な運営を阻害するもの。労働者側のストライキ・サボタージュ・ボイコット、使用者側のロックアウトなど。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

争議行為
そうぎこうい

労働争議が発生した場合に労働者の集団が、その主張・要求を貫徹するために集団の意思決定に基づいて労働力の提供を拒否し業務の正常な運営を阻害する行為。労働関係調整法(昭和21年法律第25号)第7条は「争議行為とは、同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行ふ行為及びこれに対抗する行為であつて、業務の正常な運営を阻害するもの」と定めている。同条は、使用者が労働者の争議行為に対抗して労働者集団を事業所から締め出すために行う作業所閉鎖(ロックアウト)も争議行為としてとらえている。
 争議行為は次のように分類できる。まず争議行為の目的から分類すると、労働・生活条件の改善を要求する経済スト、悪法反対や安保条約廃棄などの政治要求を掲げる政治スト(労働・生活条件に関係する政治課題を対象とする経済的政治ストと、高度な政治課題に関する純粋政治ストに分かれる)、他の労働組合の闘争を支援するために行われる同情ストなどがある。争議行為に参加する労働者の範囲から分類すると、経営スト(全面ストと部分ストに分かれる)、全国スト、国際ストなどがある。さらに正規の組合内手続に従った組合ストと、それを欠く組合統制違反のスト(山猫スト)がある。そのほかにもストライキの形態として、出荷スト、抜き打ちスト、波状ストなどがある。さらに、ストに付随して行う行為としてのピケッティング、ストライキと類似する行為としてサボタージュ(怠業)、ボイコット、生産管理、職場占拠などがある。
 日本国憲法第28条は、団体行動権としての争議権を保障しており、労働者は争議行為を行っても、それが正当である限りその責任を追及されることはない。具体的には、労働組合法(昭和24年法律第174号)第1条2項が刑事免責を定めており、第8条が民事免責を定めている。ただし労働組合法は、「正当な争議行為」および「正当な組合活動」についての免責を定めているのであり、ここで正当性とは何かが問題となる。争議行為の場合、その正当性は、目的および手段の両面から判断される。目的の正当性については、とくに政治ストが問題となり、否定・肯定の両説があるが、判例は否定説である。手段の正当性については、労働組合法第1条2項が定めているように、暴力の行使はいかなる理由があろうとも許されない。ただし争議行為の目的は、相手方にできる限り大きい損害と圧力を加えることであるから、同条の規定が相手方の出方と無関係に一定の物理的圧力を加えることまで禁止していると解釈することはできない。[村下 博・吉田美喜夫]

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世界大百科事典内の争議行為の言及

【争議権】より

…憲法28条は,〈勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は,これを保障する〉とし,労働基本権(労働三権ともいい,団結権,団体交渉権,争議権をさす)を保障している。このうち〈その他の団体行動をする権利〉が争議行為をする権利,すなわち争議権をさすと解されている。
[争議権の意義]
 労働者は,賃金労働時間その他の労働条件を維持・改善し,その経済的地位の向上を図るために労働組合を結成またはこれに加入する権利(団結権)を保障され,使用者またはその団体と対等な立場で交渉しその結果を労働協約として締結する権利(団体交渉権)をもつ。…

※「争議行為」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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