日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクチオーン」の意味・わかりやすい解説
アクチオーン
あくちおーん
Die Aktion
『行動』。ドイツ表現主義運動を代表する機関誌の一つ。1911年2月「自由のための政治・文学週刊誌」としてベルリンに興る。編集者はフランツ・プフェムファートFranz Pfemfert。保守的な政治体制に対し、知識人を糾合して一種の文化闘争を試みることを目的とし、左翼的立場から果敢な政治・社会批評を行う。同時に、新しい文学表現のための発表機関として、多くの若い才能を紹介した。第一次世界大戦勃発(ぼっぱつ)後も反戦平和の立場を貫き、叙情詩と木版画による大胆な誌面構成を通して、人間の自由と人類愛を広く訴え続けた。戦後は政党機関誌となり、文学色を失う。ドイツ革命の挫折(ざせつ)を経てしだいに衰微、ナチス政権成立前年の1932年8月に第22巻を出して終わった。
[瀧田夏樹]