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木版画 モクハンガ

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デジタル大辞泉の解説

もくはん‐が〔‐グワ〕【木版画】

木版で刷った絵。

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百科事典マイペディアの解説

木版画【もくはんが】

木材を版に利用した版画。版面に用いる板面の違いにより板目木版木口木版の2種に分けられる。前者にはホオノキサクライチジクなどを用い画線部分を凸部とする陽刻と,反対に白抜きの凹線で説明する陰刻とがある。
→関連項目摺物長崎版画版画菱川師宣棟方志功木刻画

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世界大百科事典 第2版の解説

もくはんが【木版画】

木版画は最も古い版画形式で,凸版である。ホオノキ,ナシ,イチジク,ブナなどの板目を版面とする板目木版woodcut(英語),gravure surbois de fil(フランス語),Holzschnitt(ドイツ語)が当初から広く用いられているが,18世紀末に考案されたツゲなどの木口(こぐち)を用いる木口木版wood engraving,gravure sur bois debout,Holzstichは銅版画に似た効果によって19世紀に実用的な挿絵に多く用いられた。

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大辞林 第三版の解説

もくはんが【木版画】

木版刷りの絵。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

木版画
もくはんが
woodcut英語
gravure sur boisフランス語
Hozschnittドイツ語

板に図柄を彫刻し、凸版法によってそれを刷り取る版画の方法およびその作品。この板目木版の板材としては、日本では主としてサクラ、西洋ではツゲが使用される。近年は合板を用いる作家も少なくない。後述のメタルカット、木口(こぐち)木版も一般に広義の木版画として扱う。[八重樫春樹]

歴史と技法

木版画は版画の形式としてはもっとも古いものであるが、その起源は容易には定めがたい。というのも、シュメール時代(前3000ころ)のシリンダー・シールの例をまつまでもなく、凸版法によって画像を刷り出す(または押印する)方法は、きわめて自然発生的にいつどこにでも生じうるからである。[八重樫春樹]
日本
奈良時代に中国から伝来したようであるが、中国で初めて木版に画像が刻まれたのは唐時代といわれ、初期の例のほとんどは仏教に関連したものであった。日本でも初期の作品は仏教関係のもので、今日に残る作例も少なくない。中国では近代まで仏教・道教関係の挿絵程度にとどまったが、日本では平安時代後期に「扇面法華経(ほけきょう)冊子」の絵や「三十六人家集」の料紙装飾に雲母(きら)刷りが用いられるなど、重要な美術的手段として活用された。鎌倉・室町時代には木版手彩色の仏画も少なからず生み出され、また絵巻、草子、屏風(びょうぶ)などの絵柄や装飾などにも木版画がしばしば用いられた。
 江戸時代に入ると、浮世絵の登場とともに木版画は急速な発達を遂げた。浮世絵版画の誕生は版画史上画期的なできごとであったが、絵師、彫師(ほりし)、刷師(すりし)の分業形態を生んだことでも注目される。[八重樫春樹]
西洋
年記のある最古の作品は1423年のもので、種々の状況から考えて14世紀末には木版画はかなり成熟していたものと思われる。興味深いのは、初期の木版画は西洋の場合も信仰と関連して発達したことである。キリスト、聖母、聖者たちの像を表したもので、多くは修道院などでつくられ、火災、盗難、疫病などの予防のために庶民の家の戸口や家具などに貼(は)られた。15世紀中葉以降、木版本や活字本の発達に伴いその挿絵に木版画が多用され、また愛好家を対象とする魅力的な作品も登場し、制作も修道僧から職人の手に移った。ギルド制度の確立していたヨーロッパでは、銅版画師は金工師のギルドに、木版画師は大工のギルドに属した。
 15世紀後半の一時期(1460~80ころ)、金工師の領域から、錫(すず)などの軟質の金属に種々の形の鏨(たがね)で画像を打ち出し(ビュランという彫刻刀が補足的に用いられることが多い)、凸版法によって刷り出す装飾的傾向の強い版画(メタル・カット)が流行したが、16世紀を待たず急速に廃れた。
 概して庶民的な芸術であった木版画に高い芸術的表現を与えたのは、ドイツ・ルネサンスの巨匠デューラーであった。彼は15世紀末から『キリストの受難(大受難)』『黙示録』『聖母の生涯』などの連作をはじめ優れた木版画の制作を重ね、それらの作品はヨーロッパ各地に大きな影響を及ぼし、16世紀におけるドイツを中心とする木版画隆盛の契機となった。ハンス・バルドゥング・グリーン、ルーカス・クラナハ(父)、アルブレヒト・アルトドルファー、ハンス・ホルバイン(子)、ネーデルラントのルーカス・ファン・ライデンらが16世紀の代表的な木版画家である。イタリアではヤコポ・デ・バルバーリやティツィアーノによって、複数の木版を用いた非常に大型の作品がいくつか生み出されている。銅版画と違い、下絵の線を彫り残す間接的彫版の木版画では、デューラー以来画家による下絵に基づいて専業の彫師が製版するのが普通であった。
 1510年代に、いわゆるキアロスクーロ(単彩明暗画)の素描から着想を得た多色刷り木版画(キアロスクーロ・ウッドカットchiaroscuro woodcut)が生まれ、17世紀初頭まで続く。イタリアのウーゴ・ダ・カルピ、ドメニコ・ベッカフーミ、ドイツのクラナハ(父)、ブルクマイヤ、オランダのヘンドリック・ホルツィウスらがこの技法による代表的な作家である。木版画は16世紀末ごろから急速に衰退し、19世紀末にゴーギャン、ムンクによって復活するまでは、もっぱら民衆的画像表現の具として美術史の表面下に潜行した。
 18世紀の末、イギリスのトマス・ビューイックが、木口木版wood-engravingにより動物などを題材とした独創的な作品を発表し注目された。ツゲなどの硬質の木材の横断面にビュランで画像を彫るこの方法は、18世紀なかばにフランス人のミシェール・パピヨンによって開発された技法で、木版画と同じく凸版法で印刷する。木口面の木材は概して小さいので、複数の木材の裏面をボルトで締めて大きな版面にする。19世紀初めにウィリアム・ブレイクもこの方法を試みているが、その後一般には画家の下絵を専門の彫版職人が彫るようになり、ドーミエやギュスタブ・ドレの下絵による作品がとりわけ人気を博した。
 ゴーギャンの『ノア・ノア』の連作(1893~95)をはじめとする一群の木版画は、この技法の最大限の効果を発揮させたものといって過言ではなく、創作版画としての木版画の復活を促した。ゴーギャンの例に触発されたムンクは、黒白対比を利した力強い作品を生み、キルヒナー、ヘッケル、シュミット・ロットルフら「ブリュッケ(橋派)」のグループによる表現主義の木版画に大きな影響を与えた。ムンクはまた、1枚の原版を分割してそれぞれにインキを施したのちにそれらを組み合わせて刷る、独創的な多色刷り木版画を考案した。
 今日、版画芸術はかつてない隆盛を迎えており、その技法も実に多様であるが、木版画もその重要な一つである。現代木版画の代表的作家としては、わが国の棟方(むなかた)志功と黒崎彰(あきら)の名をあげることができよう。[八重樫春樹]
『小野忠重著『木版画――材料と技法』(1956・美術出版社) ▽関野準一郎著『木版画の楽しみ』(1983・平凡社)』

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世界大百科事典内の木版画の言及

【浮世絵】より

…町人の絵画として,武家の支持した漢画系の狩野派とは対立するが,様式の創造的な展開のために,その狩野派をはじめ土佐派,洋画派,写生画派など他派の絵画傾向を積極的に吸収消化し,総合していった。安価で良質な絵画を広く大衆の手に届けるために,表現形式としては木版画を主としたが,同時に肉筆画も制作し,肉筆画専門の浮世絵師もいた。〈浮世絵〉という新造語が定着し始めるのは,版本の挿絵から一枚絵の版画が独立した直後の天和年間(1681‐84)のころである。…

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