改訂新版 世界大百科事典 「アクチノセン石」の意味・わかりやすい解説
アクチノセン(閃)石 (アクチノせんせき)
actinolite
アクチノ角セン石,緑セン石あるいは陽起石ともいう。カルシウム角セン石の一つで,化学組成はCa2(Mg,Fe2⁺)5Si8O22(OH)2で表される鉱物。ふつうMg/(Mg+Fe2⁺)の比が0.5~0.89のものをアクチノセン石,0~0.49のものを鉄アクチノセン石ferroactinolite,0.9~1.0のものを透セン石と呼ぶ。MgとFeは任意に混ざり合う。Mg,Fe2⁺やSiを置き換えてAlを少量含むことがある。Naを少量含むこともある。単斜晶系。比重は2.8,モース硬度は5~6。色はMgが多いときには灰白色~淡緑色,Feが多くなるにつれ濃緑色に変わる。ふつう長柱状~針状の集合体として産する。スカルンやペグマタイト鉱床では十数cmに達するときもある。緑色片岩や角セン岩などの低温変成岩やセン緑岩や花コウ岩などの深成岩にふつうに出現する。
執筆者:鳥海 光弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報