化学辞典 第2版 「アコニットアルカロイド」の解説
アコニットアルカロイド
アコニットアルカロイド
aconitum alkaloid
キンポウゲ科トリカブト属Aconitumの根に含まれるジテルペン系アルカロイドの総称.うず(烏頭)アルカロイドともいい,数十種類知られている.広義には,オダマキ属Delphinium,ミズキ科Garrya属アルカロイドをも含めて,アコニットアルカロイドとよぶが,最近では,ジテルペンアルカロイドという名称が一般的である.一般に,猛毒性のアコニチン系および低毒性のアチシン系の2種類に大別される.前者は,酸素含量の高いアルカミンが酢酸,安息香酸などでエステル化された形を有し,加水分解によって C19 を骨格とするアルカミンを与える.後者は,C20 の骨格の酸素含量の低いアルカミン型アルカロイドである.いずれも生合成的に関連があり,(-)-カウレンの骨格を前駆物質としている.アイヌはトリカブトを矢毒として用いた.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報