アジア決済同盟(読み)アジアけっさいどうめい(その他表記)Asian Clearing Union; ACU

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジア決済同盟」の意味・わかりやすい解説

アジア決済同盟
アジアけっさいどうめい
Asian Clearing Union; ACU

アジア清算同盟ともいう。 1974年 12月にイラン,インド,パキスタンバングラデシュネパールスリランカの6ヵ国をメンバーとして発足した多角的貿易決済機構。 76年にビルマ (現ミャンマー) が加盟した。決済業務の中央機関はクリアリング・ハウス Clearing Houseと呼ばれ,加盟各国の中央銀行は,イラン中央銀行に設置されるこのクリアリング・ハウスに自己勘定を開設し,輸出入の決済を自国通貨で記帳し,定期的 (4週間の決済期間) に清算する。また決済に際し計算単位を統一し,通貨の切下げなどによる為替リスクを回避するためアジア通貨単位 Asian Monetary Unit (AMU)が創出されており,AMU単位はSDR単位と等価とされている。アジア決済同盟の理念は,(1) 域内貿易の拡大,(2) 加盟国間の外貨の節約,(3) 域内通貨の使用促進と加盟国間の金融協力の促進にあったが,現在は機能していない。

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