あじさわう（読み）アジサワウ

デジタル大辞泉

あじさわう〔あぢさはふ〕

［枕］「目」「夜昼」にかかる。
「―目の乏ともしかる君」〈万・二五五五〉
「―夜昼知らず」〈万・一八〇四〉
[補説]一説に、「あじ」は水鳥の䳑あじ、「さわう」はさえぎる意とし、水鳥をさえぎる網の目の意から「目」にかかり、また網は昼夜を分かたず張るので「夜昼」にかかるともいう。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

あじさわうあぢさはふ

1. 枕 語義、かかりかた、ともに未詳。
2. ① 「目」にかかる。
   1. [初出の実例]「御食(みけ)向かふ きのへの宮を 常宮(とこみや)と 定め給ひて 味沢相(あぢさはふ) 目言(めこと)も絶えぬ」(出典：万葉集（８Ｃ後）二・一九六)
3. ② 「夜昼知らず」にかかる。
   1. [初出の実例]「春鳥の ねのみ泣きつつ 味沢相(あじさはふ) 夜昼知らず かぎろひの 心燃えつつ 歎く別れを」(出典：万葉集（８Ｃ後）九・一八〇四)

出典　精選版 日本国語大辞典