ポルトガルの首都リスボンのベレム地区にある、ブラガンサ王家(1640~1910年までポルトガルを統治した王朝)の旧王宮。共和制移行後は、迎賓館として利用されている。この宮殿は19世紀初め、女王マリア1世が1794年に火災により焼失した木造の王宮兵舎の跡地に、バロックロココ様式の新宮殿として建設したものである。その後、ルイス1世統治下の1861年に恒久的な王宮となった。宮殿内部にはジョアキン・マシャード・デ・カストロ作の「力天使像」や、19世紀初頭に制作された12使徒像のあるエントランスホールがある。宮殿の一部は博物館になっていて、19世紀のポルトガルの絵画を含む王宮ゆかりの品々が展示されているほか、学芸員の王宮内のガイドツアーが用意されている。また、宮殿内にはアジュダ図書館があり、大航海時代に日本にもやってきた宣教師たちが残した書簡や記録なども所蔵している。鉄道ベレム(Belem)駅から約2km、駅前からバスが利用できる。また、トラムのパラシオ・デ・アジュダ(Palacio de Ajuda)停留所からすぐの場所にある。