アトランチック・スタージョン(読み)あとらんちっくすたーじょん(その他表記)Atlantic sturgeon

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アトランチック・スタージョン
あとらんちっくすたーじょん / 大西洋鱘魚
Atlantic sturgeon
[学] Acipenser oxyrhynchus

硬骨魚綱チョウザメ目チョウザメ科の魚。グリーンランド西側からアメリカ合衆国のフロリダ州東部までの大西洋沿岸に分布する。体は細長く、体側には菱(ひし)形のじょうぶな硬鱗(こうりん)が5列に並んでいるので、断面はほぼ五角形を呈する。尾びれはサメ形で、上葉は下葉より長く不相称。吻(ふん)は長く、下あごに4本のひげが横に並ぶ。口は下面に開き、歯がない。背面は藍灰(らんかい)色で側面は淡く、腹面は白い。ほとんど海で生活するが、5~6月ごろ産卵で河川遡上(そじょう)する。卵は1~2週間で孵化(ふか)する。1尾の孕卵(ようらん)数は80万~240万粒で成熟まで20~28年かかる。漁獲された最大魚の記録は4.2メートルである。卵は暗褐色キャビアとして珍重され、成魚の肉は薫製にされる。

[疋田豊彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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