硬鱗(読み)こうりん(英語表記)ganoid scale

精選版 日本国語大辞典 「硬鱗」の意味・読み・例文・類語

こう‐りんカウ‥【硬鱗】

  1. 〘 名詞 〙 硬骨魚綱軟質類のチョウザメなどにみられるうろこ。真皮性の硬鱗質が骨板表面をおおってできたもので、骨鱗、循鱗(じゅんりん)に対していう。多くは菱形板状で、互いに連なる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「硬鱗」の意味・わかりやすい解説

硬鱗
こうりん
ganoid scale

魚類の鱗の型の一つ。原始的な鱗で,表皮下の真皮性骨板がガノインというエナメル様物質でおおわれている。チョウザメ,ガーパイクなど原始的な鰭条をもつ硬骨魚類にみられる。より高等な魚類では,櫛鱗円鱗 cycloid scaleをもつ。

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世界大百科事典(旧版)内の硬鱗の言及

【うろこ(鱗)】より

…楯鱗はギンザメ類やエイ類では退化的であるが,サメ類では〈サメ肌〉としてよく発達しており,古来より刀剣の柄や鞘の装飾に用いられている。デボン紀の原始硬骨魚類は,ガノイン質,コズミン質,骨質からなる硬鱗をもっていた。条鰭(じようき)類では,ガノイン鱗が発達するが,後に骨質のみが残った骨鱗になった。…

【魚類】より

…多くの魚の皮膚にうろこがあるが,円口類,シビレエイ,タチウオなどにはない。うろこには楯鱗,硬鱗,骨鱗などの種類があり,それぞれ構造が異なる。楯鱗はサメ・エイ類のうろこで,厚い象牙質の外側が硬いエナメル層で包まれ,内側には神経や血管の入りこんだ髄があって,歯と同じ構造をしている。…

※「硬鱗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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