改訂新版 世界大百科事典 「アドベンティスト」の意味・わかりやすい解説
アドベンティスト
Adventists
ラテン語の〈来る〉あるいは〈来臨〉を意味するアドウェントゥスadventusからきた名称で,キリストの再臨(再来)がすぐにおこることを信じる人々あるいは教派をさす。再臨派ともいう。キリスト教史のはじめからいつの時代にもみられる運動であるが,教派としては1831年,アメリカでミラーWilliam Miller(1782-1849)というバプティストの農民説教者によって始められた運動にさかのぼる。ミラーは,聖書にもとづく計算によるとキリストの再臨は1843年と44年のあいだにおこると予言して多くの人々を恐怖におとしいれ,財産を売るものもでてきた。キリストの再臨は同時にこの世界の終末と審判のときでもあると説いたからである。キリストの再臨がいつくるか期日はいわないが,再臨の教理を強調する教派として現在も活動しているのはセブンスデー・アドベンティストである。日本では内村鑑三の第1次世界大戦後の再臨運動が有名である。
執筆者:古屋 安雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報