アナンキョクオットセイ(その他表記)Arctocephalus tropicalis; subantarctic fur seal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アナンキョクオットセイ」の意味・わかりやすい解説

アナンキョクオットセイ
Arctocephalus tropicalis; subantarctic fur seal

食肉目鰭脚亜目アシカ科ミナミオットセイ属。雄は体長約 1.8m,体重 70~165kg。雌は体長約 1.4m,体重 25~55kg。出生体長は約 60cm,出生体重は4~4.4kg。体毛は粗く硬い上毛と細く柔らかい下毛から成る。毛色灰色から茶色がかった橙色茶褐色などさまざまである。雄は成長に伴い灰色がかってくる。体型は紡錘形で太く短い。四肢は短く掌部が鰭 (ひれ) 状で黒色を呈し毛がない。吻部は前方に突出するが短く円錐状で,後頭部は丸みを帯び形状は短卵形に近い。耳介は小さい。尾は非常に小さく後肢の間に隠れる。門歯上顎6本,下顎4本,犬歯は上顎と下顎に2本ずつ,頬歯は上顎 12本,下顎 10本である。繁殖期と出産期は,10月下旬から1月上旬にかけてであり,12月中旬に最盛期を迎える。繁殖場は南極収束線の北側に位置する亜南極地方の島々である。親仔連れをのぞき,冬から春にかけては洋上で過す。食性は地域や季節によって変り,オキアミ類を主として,魚類,スルメイカ類およびペンギンも捕食する。南半球の亜南極海域に広く分布する。

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