改訂新版 世界大百科事典 「アネミア」の意味・わかりやすい解説
アネミア
flowering fern
Anemia phyllitidis (L.) Sw.
中米原産で,今では温室植物として普通に栽培されるシダ。単羽状の葉の,最下羽片が胞子葉となり,花がつくような姿勢となることから英名がついた。根茎は短くはい,毛があって鱗片はない。葉は長い葉柄があり,羽片は卵状で,先端が鋭頭,基部は広いくさび形となる。胞子囊は最下羽片につくが,この羽片は長い柄をもち,葉面というべき広がりをもたず,小さな裂片に大きな胞子囊を2列につける。鉢植えで容易に栽培できるので,温室の観葉植物として植えられ,重宝されている。
フサシダ科Schizaeaceae
薄囊シダ類の縁生類のうちで最も原始的な群で,化石は石炭紀にまでさかのぼることができる。胞子囊の構造を指標にしてまとめられているが,栄養器官の構造をみると均一の内容の科とは考えられず,最近では,フサシダ科,カニクサ科,アネミア科,モーリア科の4科に分けるのが普通である。
執筆者:岩槻 邦男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報