日本大百科全書(ニッポニカ) 「アペニン・トンネル」の意味・わかりやすい解説
アペニン・トンネル
あぺにんとんねる
Grande Galleria dell'Appennino
イタリア国有鉄道のボローニャ―フィレンツェ間にある鉄道トンネル(複線型)。正式には大アペニン・トンネルとよぶ。全長1万8507メートル。ミラノ―ローマ―ナポリ間の鉄道は、イタリア半島を南北に縦断する同国最重要幹線であるが、1864年に開通したアペニン山脈横断の区間では、約26‰(パーミル)の急勾配(こうばい)が存在して輸送上の隘路(あいろ)となっていた。このため1920年から長大なトンネルによる別線の建設が始まり、1934年に開通。この結果最急勾配は12‰となり、133キロメートルあったボローニャ―フィレンツェ間は97キロメートルに短縮された。
[青木栄一・青木 亮]