アボリジニ問題(読み)アボリジニもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アボリジニ問題」の意味・わかりやすい解説

アボリジニ問題
アボリジニもんだい

オーストラリア大陸に住む先住民アボリジニをめぐる少数民族問題。以前はオーストラリア全土に散在していたが,植民者による圧迫とともに奥地へと移動し,人口も減少して,この 200年に半減し,現在人口は約 18万 (純血は4~5万人) で,全人口の1%程度である。 19世紀後半から保護策の必要性が主張され,アボリジニ省の設置によりその権利回復がはかられている。しかし,教育・生活水準など白人との格差は依然大きく,この問題の解決は,オーストラリアが推進する「文化多元主義」政策の今後の課題となっている。 1992年6月には最高裁判所がトレス海峡諸島の土地および海面に対するアボリジニの伝統的所有権を認める判決 (マボ判決とも呼ばれる) を下したことから,同国の土地所有制度の根幹をゆるがすものであるとの論争が起った。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android