あま馳使(読み)あまはせづかい

精選版 日本国語大辞典 「あま馳使」の意味・読み・例文・類語

あま‐はせづかい ‥はせづかひ【あま馳使】

〘名〙 語義未詳。
古事記(712)上・歌謡「いしたふや 阿麻波勢豆加比(アマハセヅカヒ) 事の 語りごとも こをば」
[語誌]①「あま」を「天」とし、(イ)天皇の走り使いをする者の意とする説、(ロ)天空を馳(は)せ(駆け)て走り使いをするもの(例えば鳥)の意とする説、②「あま」を「海人」とし、海人部(あまべ)出身の、宮廷神事や雑役の走り使いをする者の意とする説、などがある。「はせ」は他動詞「はす」(下二段)の連用形、「つかひ」も他動詞であり、使役する側からの呼称である点を考慮すれば、②説が妥当か。「海部駈使丁」は、海部から仕丁として出され、宮廷の雑役に駆使される者。「二十巻本和名抄‐六」の「伊勢国〈略〉朝明郡〈略〉杖部 〈鉢世都加倍〉」を踏まえれば、伊勢の地方豪族「天語連」に隷属する海部から貢進された駈使丁とする説が有力視される。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android