改訂新版 世界大百科事典 の解説
アメリカン・エキスプレス[会社]
American Express Co.
世界最大のアメリカの旅行エージェンシー。保険,国際金融,投資サービスの分野でも有力。略称アメックスAMEX。本社ニューヨーク。1850年ニューヨークに設立。社名が示すように,当初はビジネスマン向けに急便サービス(通運業)を行っていた。早くから国際化と業容拡大をすすめ,大正年間には横浜,神戸に支店を開設していた。また,1882年にマネー・オーダー(郵便為替)を始め,91年には世界で初のトラベラーズ・チェックを発行,さらに1958年には国内でのクレジット・カード(チャージ・カード)を発行するなど,拡大を続けた。この過程で,本業の急便業務は1919年に分離独立した。現在の業務は,旅行関連サービス,保険,国際金融,証券の4本立てで行われている。旅行関連業務の中心はトラベラーズ・チェックとクレジット・カード(アメリカン・エキスプレス・カード)で,世界百数十ヵ国に1000を超す事務所を有し,旅行代理店業務も営む。なお,この通称アメックス・カードはクレジット・カード中世界最大規模で(2003年末の全世界でのカード発行枚数は6050万枚),日本ではJCBカードが提携関係にある。保険部門では,アメリカでも大手の損害保険会社Fireman's Fund Insurance Co.を有し,また生命保険の子会社ももつ。国際金融部門はAmerican Express International Banking Corp.を有し,証券業務では81年にアメリカの有力な証券会社Shearson Loeb Rhodesを買収した(Shearson/American Express)。総収入291億ドル(2004年12月期)。
執筆者:結城 隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報